400㎞突破!ゴールが見えてきた。
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第6話~逞しさ~
旅の終わりが見え始めたからか、
足取りも軽く朝から快調な歩き出しだ。
昔の旅人たちに思いを馳せながら、
順調に東海道を歩いていく。
昔の旅人はこんな格好をしていたんだなぁ。
3日目から痛み出した足も、
10日も過ぎればいつしか気にならなくなっていた。
体の適応力はすごい。
もう山越えも野宿もなんのその。
危ない夜も何度かあった。
その日は公園か河原で寝る事で迷って
公園で寝ることにした。
公園の大きな木の下でテントを張って寝ていると、
夜中に凄まじい雷の音で起きた。
強風と大雨でテントは浸水。
飛ばされないように抑えるほどだった。
雷が凄かったで、もし木に落ちたら危ない
と思いながらも疲れて眠ってしまった。
朝、川沿いを歩くと、
昨日寝るはずだった場所は水の中だった。
選択を間違えば大惨事だったかもしれない。
またある日、大雨の夜大通り沿いを歩いていると、気が付かない間に歩行者進入禁止のバイパスに入っていた。
だんだん歩道が無くなり
縁石の上を歩いて進んでいると、
気づいた頃には高速道路のようなスピードで走る
トラックが横数十㎝を通過していた。
真ん中を歩いていたので、前からも後ろからも
大型トラックが猛スピードで突進してくる。
大雨も降っていたので、
リアルスプラッシュマウンテン状態だった。
隙を見て道路を横断。
山の斜面から下道に脱出した。
丸い日食料調達が出来なくても
雨でも嵐でも
僕らは野を越え山を越え
毎日30~40㎞を歩き続け
気づけば400㎞を突破しようとしていた。
愛知、三重をさっと越え、
滋賀県に差し掛かっていた。
霧に満ちた壁みたいな山々が立ちはだかる。
あの山の向こうにかつて忍者の里、甲賀はあった。
忍者が出てきても不思議ではない雰囲気があった。
ここから登山道のような道になる。
山の中は車道沿いを歩けない道が多いため、
何度も道を間違えては引き返し
山を登っては降り
なんとか日が暮れる前に甲賀に突入した。
忍者村と書いてある看板が何度か出てきたが、
あいにく立ち寄る気はさらさら無い。
写真すら撮らずに通り過ぎていった。
甲賀の山の中にて。すでに400㎞を歩いてきてる
彼の後姿は忍者さながら逞しくなっていた。
果てしなく思えた旅も終わりが見えてきた。
次は琵琶湖を目指して歩く。