恩送り
昨日懐かしい友達が僕の家を訪ねてきた。
彼と会うのは4年ぶりぐらい。彼とは19歳の時に一緒に無人島生活をした仲だ。
ワイルドでアウトドアな彼はきちっとしたスーツを着てやってきた。
僕の中の彼のイメージは波乱万丈な人生を歩むバックパッカーだ。
彼と初めてあったのは18歳の時、福岡でヒッチハイクをしていたら拾ってくれたのがキッカケだ。その時の彼はちょうど世界一周から帰ってきたばっかりで、僕に様々なワクワクする話をしてくれた。そして福岡のちょーおいしい天ぷら屋さんに連れていってくれて、僕を家に泊めさせてくれた。
その話の中で彼は僕に大切な考え方を教えてくれた。
こんな話になった。
僕、ヒッチハイクで旅をしていますけど、これはただ皆に協力してもらってるだけで何もすごくない。なのに出会う人みんな応援してくれて、沢山ご飯を食べさせてくれて、家に泊めさせてくれたりする。僕はただ旅をしているだけで、何の特技もないし、返せるものが何にもないんです。
すると彼はこういった。
俺も世界一周してきて沢山の人に出会って、ビックリするぐらい優しくされたけど、名前さえも知らない人が沢山いる。こんな旅の忙しい出会いと別れの中で、その人に恩を返すなんて無理だよ。だから俺はこれから出会う人たちに自分が出来ることをしてあげてる。それでいいんだよ。だから俺にもなにも返さなくていいから、ハルキがこれから出会う人たちにこの恩を送ってあげて。
誰かから受け取った恩は、他の人に送ってあげればいいんですね!
そして今回3回目の再会を果たした。
僕は今熊本で古民家生活をしている。
家を失った友達も一緒だ。(笑)
僕の状況を見て彼は言った。
恩送りやね。俺が6年前に言ったことじゃん。
ちゃんと出来てるね。成長したな。
ありがとうございました。