旅人ハルキ

I've been traveling since the day after my high school graduation ceremony.

‐無人島生活に憧れて‐

19歳になって間もなくの夏、世界一周をした旅人の先輩と2人で無人島生活に出掛けた。あれは高校の文化祭からちょうど1年後の事だった

同級生たちが母校の文化祭へ行こうと誘ってくれたのを、「今から無人島に渡るからごめんな。」と断ったのを覚えている。無人島へ渡る船の上で、(人生何が起こるかわからないなあ)なんて考えていた。

あの頃は大学生活を続けようか、やりたいことをやろうか迷っていた時だ。高校を卒業してすぐに日本一周に旅立った俺は、旅先の様々な出逢いや経験から、学生生活に沢山の疑問を抱いていた。

 

そんなタイミングで、日本一周をしていた時に福岡で出会った旅人の先輩に、来月無人島生活しない?と誘われてしまった。どうしようもなくワクワクしてしまって学校どころではなくなった。

旅なんかに出たら履歴書に傷がついて人生を棒に振るうことになると思っていた。それは周りにいた大人たちがそう教えてくれたから。

でもこのワクワクを抑えられなかった、というと嘘になるか。退屈していたし、刺激がほしかったし、迷いに迷って、とりあえずその退屈な環境から逃げ出したと言ったほうが近いかもしれない。

そんなこんなで一か月後には東京を旅立ち、お気に入りのバックパックを背負い、京都にいる先輩のもとを訪れた。

 

半年前に福岡を旅していた俺は、このお気に入りのバックパックを背負い、背中には大きく【ヒッチハイク日本一周】と書かれた看板を背負っていた。突然ツイッターで連絡をくれた彼のプロフィールには世界一周経験者との文字が書いてあった。面白そうなので会ってみることにした。逆にヒッチハイクをされたのである。

そして待ち合わせをして、博多の街で対面。彼は【トッティー】と名乗った。しばらく街を案内してもらいながら、旅に関する色んな話をした。その日の夜は彼の家で"世界一周帰国パーティー"を開くとの事で、出会って間もないがお邪魔させてもらうことにした。彼が見てきた世界中の景色や話にはワクワクが止まらなかった。旅人に憧れ、俺もいつか世界中を周りたいと思った。

福岡を出発するまでお世話になりっぱなしだった。彼は、「俺もヒッチハイクで日本中を旅していた時や世界中で出会った沢山の人に親切にされたが、その人たちに恩を返すことは難しい。だからその人たちから貰った恩を次出会う人たちに繋いでいるんだ。ハルキにもそうしてほしいね。」と話してくれた。

それから俺はまたヒッチハイクで九州を周り、四国、本州へと旅を進めていった。

 

そして今回は、ゆったりと新幹線の座席に座って京都に向かっている。以前ヒッチハイクをしていた場所を通り過ぎるたび「良いご身分になった」なんて思った。京都駅に着くとトッティーがバイクで迎えに来てくれてた。半年ぶりの再会だ。この日は彼のバイクで、京都観光に連れていってもらった。そして無人島生活への計画を立てた。

 

場所は和歌山県友ヶ島ラピュタのような風景としても知られている。普段は定期便が出ていて観光客で賑わうこの島。丁度その定期便が休みになる最終船で島に渡り、4日後船が再開するまで無人島になるので、そこで無人島生活を決行しよう決めた。これから始まる無人島生活に心躍らせていた。

 

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