旅人ハルキ

I've been traveling since the day after my high school graduation ceremony.

自分ではない何かの力

‐前回の記事‐

 

journeyharuki.hateblo.jp

 

第7話〜運命の再会〜

 

出発の朝。

今日が最終日になるだろう。

 

琵琶湖を出発した僕たちは今日中に大阪に着くことを確信していた。今までの経験でその距離は一日で歩けることを知っていたからである。

 

「お世話になりました!!」

今日も快晴だ。

またいつか会えることを楽しみにしています。

 

見慣れた大きな荷物を背負い、

京都に向け出発した。

 

今までのような山道はなく、人通りも多かった。

そして午前中のうちに京都に着いた。

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「なんだあのでっかい鳥居は!?」

もうゴールを確信した僕たちはせっかく来た京都を観光することにした。

 

平安神宮

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伏見稲荷大社、千本鳥居。

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圧倒的美しさだ。

 

京都は観光の人が多すぎて、

大きな荷物を持って周るのは大変だった。

 

京都の三条大橋に向かう。

 

ここがずっと歩いてきた東海道の終着点であり始まりである。昔の人はここから東京日本橋まで約500の道のりを、僕らが通ったこの道を使って歩いていた。

当時の人も15日前後だったらしいが、

らも17日だったので大して変わらない。

 

一応三条大橋には行ってみたが、大した達成感は得られなかった。次は大阪に向かうからである。

 

そして僕はここで運命的な出会いをすることになる

 

京都の三条大橋を後にした僕たちは、

そのまま川沿いを進み大阪を目指した。

 

しばらく進むと前から自転車に乗った

3人組が向かってきた。

 

道が狭いので譲ろうと端によると、

そのうちの1人の男性と目があった。

 

どこかで見たことあるような。。

 

すると彼は自転車を止め、

「ソウジロウ君??」と話しかけてきた。

 

(誰やねんソウジロウ君って!名前の間違え方クセ強すぎるやろ!)って思わず突っ込みそうになったが、

 

「いや、ハルキです。ソナムくんですよね?」

僕ははっきり覚えていた笑。

 

 

彼とは1年前僕が初海外でタイのチェンマイにいた時、同じ宿になって1日だけ行動を共にした。

 

彼は既に世界中を周っていて、旅にはだいぶ慣れた様子だった。何も分からない僕に自分の経験や色んなことを教えてくれた恩師である。

 

タイを縦断していた僕は、次の日に南へと旅立った。彼の行き先はニュージーランドだかカナダだか忘れたが、もうしばらく日本には帰っていないようだった。

 

 

あれから1年以上経ち、

彼が京都のこの細い通りに突然現れた。

「どうゆうこと?」僕の頭は停止した。

 

「ハルキ何してるの?」と聞いてきたので

「東京から大阪まで歩いていて、

今京都を通過したところだよ。」

 

すると彼は「へ~。」と興味なさそうな返事をした。

 

「ソナム君は何やってるの?」と聞くと

「妹が結婚することになって、3週間だけ日本に帰ってきたんだよ。それで暇だし京都でも観光しようかなーっと思って自転車借りて来たら君がいた。」

 

「そーなんだ~。」と返事はしたが、

やはり不思議だ。偶然にもほどがある。

 

何兆通りある中から

今日この時間にこの通りを選ぶなんて、、

 

「じゃ~ね~。」

1分ほどの会話だった。

そして僕はまた大阪を目指した。

 

 

 

追記-

旅をしていると、自分の努力ではどうにも起こせない奇跡が起きることがある。

 

めちゃめちゃ悩んだ末に意を決した進んだ道なのに、待ってましたと言わんばかりに物事が進んでいくことがある。

 

自分とは別の、何か大きな枠組みで人生が動いている。という感覚に陥ることがある。

 

 

スピリチュアル的な解釈では、突然の再会は、もっと中が深まる前兆か、永遠の別れかのどっちからしい。

 

解釈は自由だが、僕の場合は本当だった。

 

 

彼はこの数ヶ月後、海外で犯罪に巻き込まれてしまい、天国へと旅立った。

 

人はいつか死ぬけれど、あまりにも早いと思ってしまった。感情を吐き出せばキリがないですが。

 

ありがとうソナム君。死ぬまで忘ず、

この出会いを次に繋げていきます。

 

 

 

あれはさよならの挨拶だったのかな。

 

会いに来てくれたのかな。

 

誰かが会わせてくれたのかな。

 

としたらあの会話で何を伝えたかったのかな。

 

 

 

不思議なことは確かにある。

そう思わずにはいられない出来事だった。

 

 

次こそ大阪に辿り着く。